Monday, June 30, 2025

6月例会:Slot Loevestein 見学(2/2)

https://www.slotloevestein.nl/

(前半はこちら

 ガイドの案内の後も、有志でお城の地下室、離れの火薬庫、そして水と自然の多い Slotwal(周縁部)沿いを見学&体験しました。 

地下室




 地下室にアーチ作りのマニュアルと模型がありました。真ん中の石が重要な役割を果たすようです。うまく行ったときには、大きい拍手で盛り上がりました。

城外

 お城の中庭から内堀の跳ね橋を渡って、……



 お城から少し離れたところにある小さい塔が Kruittoren (弾薬庫)です。

 手前の Maas川(現在は Afgedamde Maas)と、奥の Waal川からの水を操作することで、お城周辺を水没させることが可能です。Inundatie といいます。Slot Loevestein は Hollandse Linie (ホラントの水防衛線)の一部を担っています。

 お城の外周に、レーザー射撃の銃や大砲がありました。けっこう難しかったです。

 Waal川。対岸から(おそらく電気モーターの)渡し船がやってきました。渡し船は Gorinchem、Woudrichem、そして対岸の Vuren の砦をつないでいます。

 城外から入る門の上から。兵舎だった家は、展示館やショップ、カフェテリアになっています。

 (Afgedamde) Maas川の方角ですが、川は見えていないはずです。この辺りを深さ30〜60cm程度に水没させることが可能でした。この深さでは、歩兵は動きづらく、船を使うには浅すぎるそうです。

 ここの斜面には羊が飼われていて、アザミが花をつけていました。お城を出て駐車場方面に行く道沿いに、大きい角の牛や小型の馬、野生のガンの群れが見られました。


見学を終えて

 お城には子供からお年寄り、そして私たち以外にも外国人グループも訪れていました。子供にも楽しめるような工夫もあり、ついでに私たちまで楽しませてもらったと思います。

 ガイドのジャネットさんには活き活きとした案内をしていただきました。ありがとうございました。

 どうしても、限られた時間の中、駆け足になってしまいました。お城の歴史そのもの、ホラント州を守るための壮大な防衛戦略、高名な囚人のグローティウスとそのドラマティックな脱走、そしてお城周辺の景色や動植物(自然ウォッチャーには見所が多いと思います)…… まだまだ深めがいがあると思いました。

(写真&報告:M.M.)

参考

Loevestein城

https://nl.wikipedia.org/wiki/Slot_Loevestein

 日本語訳

 https://nl-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Slot_Loevestein?_x_tr_sl=nl&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=en&_x_tr_pto=wapp


ホラントの水防衛線

https://nl.wikipedia.org/wiki/Nieuwe_Hollandse_Waterlinie

 日本語訳

 https://nl-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Nieuwe_Hollandse_Waterlinie?_x_tr_sl=nl&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=en&_x_tr_pto=wapp


6月例会:Slot Loevestein 見学(1/2)

 https://www.slotloevestein.nl/

 マース川 (Afgedamde Maas) とワール川が合流する典型的なオランダの川の風景の中に、1358年に騎士 Dirc Loef van Horne が城を建てました。新オランダ水防衛線の一部でもあるルーフェスタイン城は、2021年にユネスコの世界遺産に登録されました。

 今回の遠足では、城、外郭、兵士の村を見学して、当時の歴史に思いをはせました。また、かつてここに収監された「国際法/自然法の父」グローティウス、そして彼の有名な脱獄についてお話を聞きました。


日程:2025年6月22日(日) 

 11:45 城門の入り口に集合、入城手続き
 12:00ごろ Taveerneでランチ
 13:00 場内見学(ジャネットさん)
 14:00ごろ 一旦解散。お城の地下室や周囲の散策
 16:30ごろ 解散

参加者: 会員6名と家族&友人、総勢12名


報告(前半)

 暑すぎず、寒くもなく、最後まで良い天気に恵まれました。まずは Taveerne のカフェテリアのテラスでランチをしました。

 その後、ガイドのジャネットさんが城内を案内してくださいました。


城内(地上部)

 お城の中庭から見た壁。お城がだんだん現在の形になっていくのが見えます。特に下のほうにある古い壁には ’misbaksel’ と呼ばれるツヤのある硬いレンガが混じっています。資金不足だったからだそうです。

 地階(1階)にある「騎士の間」(Ridderzaal)。冬はとても寒い部屋で、窓にはブタの膀胱を伸ばして作った白い膜をガラスがわりに貼っていました。

 この部屋に有名な法律学者の Hugo de Groot (グローティウス、1583-1645)が監禁されていました。

 オランダとスペインとの長い戦争(80年戦争)の間に12年間の休戦期がありましたが、その時にオランダ国内ではキリスト教の解釈をめぐる争いが激しくなりました。Hugo の属する派閥は争いに負け、Hugo は Loevestein城に投獄されました。

 投獄中も家族との面会や書物の搬入・搬出、そして執筆活動は可能でした。Hugo の妻の Maria と侍女の Elsje の協力、そして周到な準備の末、対岸の Gorinchem の祭りの日に警護が手薄になったスキをついて脱獄に成功しました。Hugo は事前に、ひとまず安全な場所に行くまでの2時間、小さい書物の箱に隠れる練習を獄中で密かにしたそうです。

 その後 Hugo はパリに亡命して、書物を出版しました。その1つが『戦争と平和の法』です。

海は誰のもの? 海で使える法律は?
『自由海論』

休戦、論争、投獄、脱走

どうして戦争は何十年間も終わらないのか?
誰が、どんなときに戦争を始められるか、終わらせられるか?
『戦争と平和の法』

……

 再びお城見学に戻ります。

 屋根裏部屋。木材の交換などはありましたが、基本的に建造時から同じ造りになっています。大きな回転軸は物資を上階に運ぶためのリフトです。


 カタパルト(投石器)のミニチュア。これで砲弾がわりの小さい袋を放り投げてくれました。後ろにある砲弾は100kgクラスのものも。300m飛んだそうです。

 広間の暖炉の上にある壁画。同盟国の紋章の上に、アザミの絵が。アザミはお城の周辺にもよく生えていて、棘が痛いです。裸足に近い敵を防ぐのに効果的だからだそうです。

 暖炉の前のベンチは、背もたれのバーが前後に動いて、座る人が向きを変えやすいスグレ物です。

 お城のキッチン。当時使った香辛料や食材が見られます。

(ニンジンも当時から食べられていました。カボチャはもっと後から渡来しました。)


 素焼きの鳥の巣箱。大きく開いている口の部分を壁にぴったりつけてかけておくと、小さい口から小鳥が入って巣を作ります。ヒナ鳥がいい大きさに育ったら、小さい口に棒(stok)を通してフタをして、スープの材料にします。

 ここまで、ガイドのジャネットさんに説明してもらいました。ありがとうございました。

 ここで一旦、遠足の中締めとしました。

(後半に続く)


参考

Loevestein城

https://nl.wikipedia.org/wiki/Slot_Loevestein

 日本語訳

 https://nl-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Slot_Loevestein?_x_tr_sl=nl&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=en&_x_tr_pto=wapp


Hugo de Groot(グローティウス)

https://nl.wikipedia.org/wiki/Hugo_de_Groot_(rechtsgeleerde)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A6%E3%82%B9




Monday, May 26, 2025

5月例会(1/2):ユダヤ博物館 (Joods museum)


 写真はWikipediaから。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Mikwe1.jpg#filelinks 
著作権者:bureau Monumenten & Archeologie (bMA), gemeente Amsterdam


2025年5月18日(日)
参加者 3名


 まずユダヤ博物館(Joods museum) に行きました。

 私はあまり説明とか読んでいなかったんだけど豪華なトランプとその入れ物が印象的でした。

 その豪華なトランプはシルバーに輝いていて入れ物も素敵でした。今度時間があるときにじっくり説明も読んでまわろうと思います。

(C.I.)


 昔の博物館(ユダヤ歴史博物館)はその昔、nieuwe markt De waag にあり、ポーランド等にあった強制収容所での事物しか覚えておらず、ずいぶんと怖い思いをしたことしか覚えていません。しかし、現在の博物館は旧シナゴーグであり、ユダヤ人とユダヤ教についての展示でした。

 カソリックのような飾り物は少なく教義を教える所という感じです。儀式と教義という感じです。キリスト教、ユダヤ教、それにイスラム教も旧約聖書が地盤にありますが、それぞれ進展して今ではお互い戦争しているなんて悲しすぎます。それにしても戦争を潜ってきたシナゴーグの儀式用具がたくさん見られたのには驚きました。命がけで守ったものでしょうね。

(E.K.)


 まず Joods Museum に行きました。Joods Museum はシナゴーグが博物館になったものです。

 展示場には、オランダのユダヤ教会、ドイツユダヤ教会、ポルトガルユダヤ教会が存在し、それぞれの説明がされていました。

 この建物は質素に造られていました。オランダユダヤ教会です。一般のユダヤ人の質素な生活がうかがえました。見学しているうちに以前に来たことを思い出しました。それはKさんが「太い柱が大理石ではなく木でできていて、大理石の模様を描き大理石に見せているんですよ、それに、あの天井の太い梁が一本の木ではなく細い木を組み合わせ太く見せているんですよ。」と説明してくれた時、これ聞いたことがある、前にもKさんに聞いたような気がする、と改めて建物を見まわしました。

 別の場所のポルトガルユダヤ教会は、ポルトガルから移民してきたお金持ちのユダヤ人のユダヤ教会で、そちらは豪華な内装とのこと。この博物館に、ポルトガルユダヤ教会の儀式用の豪華な冠や燈台が展示されていました。戦争中にドイツ軍に没収されないようにどこかに隠されていたのでしょう。

 また特別展示で、ユダヤ人のSEX感に関するものがありました。カトリックとは違う常識を持っていることがわかりました。男性同士、女性同士の結婚式の写真がありました。年代はわかりませんが、最近のものではなさそうでした。

(K.I.)


Link: 

Joods Museum
https://www.museum.nl/nl/joods-museum
https://nl.wikipedia.org/wiki/Joods_Museum_(Nederland)


おまけ その1:

 余談ですが日本語のトラの巻はユダヤ人の巻き物トーラの巻き物からきているそうです。(E.K.)

おまけ その2:

 イスラエルと日本は祖先が同じと言われており似たような単語が3000以上もあるそうな。そんなヘブライ語に君が代を訳すと

 君が代は   クム ガ ヨワ          立ち上がり神をたたえよ
 千代に    チヨニ              シオンの民
 八千代に   ヤ チヨニ            神の選民
 さざれ石の  ササレー イシィノ        喜べ残された民よ、救われよ
 巌となりて  イワオト ナリタ         神の印(予言)は成就した
 苔のむすまで コ(ル)カノ ムーシュ マッテ  全地に語れ

 歌詞の意味は全然違うけど言葉はすごく似ていますね。(C.I.)


5月例会(2/2):レジスタンス博物館 (Verzetmuseum)

 


写真はWikipediaより。Public Domain


2025年5月18日(日)
参加者 2名


 次にレジスタンスミュージアム(Verzetmuseum)に行きました。

 そこではレジスタンスミュージアム ジュニアというエリアがあり、Iさんと一緒にまわりまました。

 Iさんが分かりやすく説明してくださったので理解が深まりました。当時の様子がとてもよく再現されていて楽しめました。

(C.I.) 


 そのあと Verzet Museum に行きました。ユダヤ人のみではなく、戦時下の一般のオランダ市民の生活が記録されていました。生活していた市民は、オランダ国籍を持った人で、そのなかにユダヤ人がいて、NSB(De Nationaal-Socialistische Beweging in Nederland (NSB) was een Nederlandse politieke partij die van 1931 tot 1945 heeft bestaan)がいました。戦争がなくナチがなければ、みんな普通のオランダ人だったのです。

 博物館の中に子供用に説明がされているエリアがあり、4人の子供の目で捉えた戦争の様子が再現されていました。

 一人目は、お父さんが工場での強制労働の為ドイツに連れていかれてしまい、お母さんと暮らしている男の子。その子の家に入ると居間の脇に台所があり、台所の引き出しには配給用の食券が入っていました。台所の流し台の下にスクリーンがあり、配給が終わってからになったスープのバケツを何にもの子供たちが指でバケツの内面に着いたものを撫で取りなめている映像が流れていました。玄関の近くに行くとドアのベルがけたたましくなりドアのガラスにドイツ軍の姿があり、17歳になった男性を探しに来た、という設定でした。居間の隣にある子供部屋の天窓から、戦闘機、爆弾が炸裂している景色が見えました。

 二人目は、17歳以上のお兄さんが二人いる男の子の家です。洋服ダンスの中にさらに扉があり、その扉の奥がお兄さん二人の隠れ家になっていました。当時17歳から40歳の男性がドイツに連れていかれてしまったとのこと。

 三人目は、両親がNSBで、自分もNSBの手伝いをしていた少女。弟二人は小さかったので戦争のことはまだわかってなかったようすです。彼女はNSBの考え方に誇りを持ち、正しいと思って手伝っていました。

 四人めはユダヤ人の男の子、彼の話を聞きたかったのですが、他の見学人が何人かいて閉館の時間も迫ってきていたので次の展示物を見に行った。

 途中、インドネシア独立のコーナーも見学し、オランダ支配から、日本軍支配下、そして独立への歩みが、実在した人の記録とともに展示されていて勉強になりました。スリナムの戦中の様子も一緒に説明されていました。

 時間が足りずじっくり見たら、2~3日は必要かと思われました。機会があれば、また行き見られなかったところをカバーしたいなと思いました。

(K.I.)


Link: 

Verzetsmuseum Amsterdam
https://www.museum.nl/nl/verzetsmuseum-amsterdam
https://www.verzetsmuseum.org/
https://nl.wikipedia.org/wiki/Verzetsmuseum_Amsterdam

Saturday, March 22, 2025

3月:チベットについてのお話(報告編)

オンライン例会
日時:3月9日(日)20時~22時
 * はじめの30分は急遽まだ予定の決まっていなかった4月と5月例会について話し合いました。
参加:会員10名
スピーカー:会員 Sさん


 今回のオンライン茶話会では、Sさんが昨年参加された南インドにある亡命チベット人の定住地へのツアーで体験されたことや亡命したチベット人に聞いたお話、チベット民族の現状や問題について、お話しくださいました。


3月:チベットについてのお話(写真編)


3月:チベットについてのお話(報告編)こちらです。


Monday, March 10, 2025

会員からの写真:春が来た!

 

かもめの会会員から、春の写真が届きました。まずはお雛様。



そして、家の外でも春が花開いています。






Wednesday, February 5, 2025

1月:かもめの会2025年新年会

日時: 2025年1月19日(日) 13:00-15:30
場所: チューリップ学園
参加者:     会員8名と家族と友人、旧JIN会員5名、チューリップ学園関係者


プログラム:

開会、会長の挨拶、乾杯

 かもめの会会長の音頭で、今年も和やかに新年会が始まりました。


”Vader, wie ben je?” (Yoko Huijs-Watanuki en Han Gieske) 出版について



 2006年に日本語で発行された本、

「わたしは誰の子?」 -父を捜し求める日系二世オランダ人たち-

 (葉子・ハュス-綿貫 著)

 この本のオランダ語版が2024年に出版されました。著者の一人、Han Gieske さんが説明、販売されました。


飲食&自己紹介&近況報告




チベット・ミニ講義

 S.F.さん(かもめの会)が、チベットの概要や現状について日本語、オランダ語で20分間のミニ講義をしました。


餅つき



コーラス上映

 「かたつむり」「さくらさくら」「きしゃ」の3曲のビデオを作成、会場の皆さんと歌いました。

 かもめコーラスのページ(会場との合唱と、歌詞カードを掲載しています。)


川柳大会 テーマ「世代」

 (投稿がまとまりましたら、こちらに追記します。)


・・・という具合で、駆け足気味でしたが、新年会をお祝いできました。

皆様、今年もよろしくお願いいたします。


また、最後になりましたが、チューリップ学園のご好意、ご協力に深く感謝いたします。🌷


(世話人:K.I.、M.M.)