Saturday, March 22, 2025

3月:チベットについてのお話(報告編)

オンライン例会
日時:3月9日(日)20時~22時
 * はじめの30分は急遽まだ予定の決まっていなかった4月と5月例会について話し合いました。
参加:会員10名
スピーカー:会員 Sさん


 今回のオンライン茶話会では、Sさんが昨年参加された南インドにある亡命チベット人の定住地へのツアーで体験されたことや亡命したチベット人に聞いたお話、チベット民族の現状や問題について、お話しくださいました。



 現在チベットの亡命者数は世界に13万4千人おり、そのうち10万人がインドに住んでいるとのこと。チベット人は非常に勤勉で頭が良く、はじめはジャングルだったインドの土地を急発展させて、現地は意外にもお寺や公共施設が近代的だったそうです。国際社会からの支援や海外に住むチベット人の献金も潤沢にあるそう。



 チベット人はインドにとても感謝の念をもっていて、所々にダライ・ラマの隣に必ずガンジーの写真が飾ってありますが、一方でチベット人の暮らしを妬む近隣に住む貧しいインド人達もいるとのことです。また近年は中流階級のインド人に人気の観光地にもなっているそうです。


 亡命してきたチベット人のお話はかなり凄惨でした。チベットの人達にとって、ヒマラヤの山々は神聖な場所で通常登山もしないとのことですが、亡命する人々は目立たないように雪深い冬にそのヒマラヤ山脈を越えて来なければならなかったそうです。


By The author of the workand GLOBE and ETOPO1(see above and the Source section), 
CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=40897186


 Sさんが話を聞いた僧侶は、中国政府がダライ・ラマの後継者を拉致し次にたてた漢民族の後継者の教育を拒否して亡命しました。その際食べ物は「ツァンパ」(はったい粉、別名麦こがし)を5キロ背負い、雪と混ぜて命をしのいだとのこと。凍傷や体に怪我を負うことも多いそう。亡命すればその家族まで捕まることを分かった上で亡命せざるを得なかったそうです。現在は中国やロシアのスナイパーが監視していて亡命はできない状態であり、また中国政府のチベット人への激しい弾圧、残酷な民族浄化政策により、チベット民族は深刻な後継者問題を抱えているとのこと。中国政府は貧しい中国人男性に経済的な優遇措置を与えてチベット人女性と強制結婚させ、チベット人男性を去勢させる政策をとっている、また、学校をたくさん建てて、子ども達にチベット語を禁止して中国語を習得させ、中国に有利な洗脳教育を行っているとのことで、本当に凄まじく痛ましいお話でした。

まだ亡命当時の面影が残るエリア


 Sさんの訪れた亡命チベット人の街には、中国政府への抗議のため焼身自殺された人々の塔がたくさん建てられていたそうです。これまで中国政府によるチベット侵攻と弾圧政策による犠牲者は120万人にものぼると言われています。犠牲になったチベットの方々の魂のご冥福をお祈りいたします。

 Sさん、大変貴重なお話をシェアしてくださり、ありがとうございました。

(スピーチ&写真:S.F. / 報告:Y.K.)


3月:チベットについてのお話(写真編)こちらです。


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